by fujita929
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ムスメが卒業式 だそうで、家内が 卒業式に出る。 私は出ない。 私毒野藤田は出ない。 式、というものが苦手です。 だから家内には本当に頭が上がりません。 毒野は自分自身の入学式とか卒業式にも出ていない。 なぜそうだったのかは上手く言えません。 苦手なのは、小さい頃からお葬式とかばかり出たからかも。 だいたい、早くに二親とも出した。 そうであった。だからそれで卒業式にも出られなかった。 ムスメはそういうものだと思っています。 「お父さんはシキには出たがらない」 自分の祖父祖母のお葬式の前に、クラスの友達のお葬式がありました。 毒野は子供として弔辞を読みました。 小学校二年生。 僕は棺おけの中の友達をじーっと見ていました。 お葬式と卒業式と結婚式なんて言って、 それぞれ全然違うもんじゃん、と人は言うかもしれません。 事実違うんですが式は式。 結婚式も苦手。ほとんど呼ばれないしね。 卒業式に出られなかったので、未だ卒業していないような気分もあり 大学の講義室に通う日々、なのかもなぁ。 そもそも、式とはなんぞや?? 大阪に行って撮影をしていました。 何処へ行ってもやることは同じです。 コンテを画いて打ち合わせをして、スタジオに入ったりロケに出かけたり。 その間、CM作りながら「シキとはなんぞ?」と考え続けます。 大阪は雨となりました。 なんだか季節がやわらかくなってきたな、と感じます。 雨が乾燥したスタジオの空気を和らげました。 上棟式、というのもやったし、進水式、というのにも呼ばれたことがあり、 なんとか開会式閉会式というのにもたぶん何度か出ているはず。 表彰式、だってあったかもしれない。でも出た記憶がない。 それらほとんどに記憶がない。 覚えているのはお葬式の記憶ばかりです。 でまぁ、それがすごく嫌だったからシキが嫌い、というのとも違う。 「ハイ、ヨーイ、・・あっそうか!」 「カットですかカントク?」 「いえ・・シキの理解です」 「スタート、じゃないんですか」 「スタートです。スタート」 カメラは回る。 シキはもういい、と思っている。 東京にも、どばっと 雪が降りました。 子供の頃はうれしかった雪を じっと見ていますが。 まぁ、あんまりうれしくないね。 いろいろな煩雑日常を憂慮する大人。 子供はハンザツもユウリョもないのだなぁ。 雪を見ていると「子供と大人」が同居しますね。 全体的にTHEラブ人間になる。 THEラブ人間を聴きながら、もうシキはいいよな、と思う。 子供の頃から、お葬式で十分。式満足。 「ケイシキ」っていうのもだめだったなぁこの人生。 そういうのがつくづくだめでした。 だめ式。式苦手人生。 ねじ式だけだったなー。 式で好きなの。 メメクラゲ。 結婚して何年かすると 「何とか婚」とかいって 式をやったりするやつらがいるらしいけど 冗談じゃないと言いたい。 他人の結婚式は苦手だし、自分だって一回で十分。 シキはいらない。 数学も苦手だったから、式全般NGだ。 だから、僕は式の話題を自分から出さないようにしている。 そうしてひっそりと暮らすのだ。 ムスメは学校が終わったのでダンスにばかり通っています。 ダンス三昧。そんなこんなで背中が相当凝ったらしい。 だから、風呂上りにかなりきついマッサージを持ってして 筋肉をほぐしてあげました。 「いてててえてててぇ!」 叫びつつも効果を感じるらしく がまんしてじっとしています。 床の上で、ごろりとマグロが呻くのです。 体型も太めなのでまぐろそのものだ。 「まぐろ効いたか?」 「効いた」 マグロはそう答えました。 しばらくしてもマグロは フローリングの上でうつぶせのままじっとしている。 何も喋らない。 近くにいた下のムスメは面白がって 「姉はかなり効いているらしく動きがありません。かなり堪えています。 相当なダメージです。本部どうぞ」 と、ハンドマイクアクションで中継ごっこを始めた。 阿呆な姉妹だが、そんなことばっかりやっている。 「お父さん。首の付け根のちょっと下んとこをもすこし・・」 「ここか」 「ううう・・いいいいてぇえええ・・」 「姉が苦しんでおります!父が押すとお尻がすぼまります!」 「ここか?」 「いたたたたたた!」 「またすぼまっています!これは相当に効いています!本部どうぞ!!」 これらがうちの卒業式なんだろう。 ムスメは春から大学に行くらしい。 詳しいことは知らない。 もう式は自分の最後のやつだけ。 そう願っています。 これから残りはねじ式のような人生を生きてゆきたいな。 ムスメにねじ式読ませまーす。 「なーんじゃこりゃ?」 ..そう言うだろうな。 まさかこんな所に メメクラゲがいるとは思わなかった。 春はあけぼのやうやうあかくなりゆくやまぎわに紅い花西荻路地裏通信
by fujita929
| 2012-03-03 17:14
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