by fujita929
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3月6日日曜日六本木にて ピューリッツァ賞受賞作 ソーントン・ワイルダーの 「わが町」を観ました。 舞台はアメリカ。ニューハンプシャー州にあるグローヴァーズ・コーナー というちっぽけな田舎町。1902年ごろ、人口3000人足らずの町の なんてことはない、実に平凡なある日のできごと。 その初演は1938年だそうです。 俳優座のステージには、四角い机のようなオブジェと暗いスペース、 そこに人間たちが現れて演じる、抽象的なマテリアルによる音楽劇。 毒野藤田には久々のミュージカルです。 なんだか随分昔に見た、アーノルド・ウェスカーの「調理場」を 思い出しました。あれも、具体的な調理台も調理道具も出てこないのに 凄まじい臨場感を掻き立てる名演。文学座ツワモノ総出でした。 今回の「わが町」は3幕に渡る長いミュージカルです。 自動車が登場する以前の、どこにでもあふれていたアメリカの片田舎。 そこに繰り広げられる、本当になんでもないありふれた日常劇。 隣同士に住む家族たちの人付き合いと、その子供たち同士の恋。 第一幕はそんな日常の紹介、第二幕は結婚、そして第三幕・・。 毒野はなんだかその日とても疲れていて、それこそ何の考えもないまま、 俳優座劇場の後ろの方の席にどさりと身を預けるなり、とにかくただただ 目の前に繰り広げられる100年前のグローヴァーズ・コーナーな一日を 眺めていました。 やがて第一幕の終わり、二階の小窓からきれいな月を見て ハイスクールに通う長男と妹は歌います。 その歌は、ただその日にあった教師の冗談。 遠方の恩師から届いた封書には住所がこんなふうに書かれていた、という 他愛もない、そんな歌。 「♪グローヴァーズ・コーナー ニューハンプシャー州 ユナイテッドステイツオブアメリカ 北半球 地球 太陽系 宇宙 かみのみこころ...♪」 そして暗転。 毒野不覚にも、頬をつたう涙を止められませんでした。 なぜ涙が出るのかは、よくわかりませんでした。 ただ、その兄弟の歌を聴きながら 我々はこの1902年から、いったいいかように進歩したのだろう そう思わずにはいられなかったからです。 そして、第二幕の歓喜が過ぎて 第三幕の、これは舞台を見る者を裏切る「想定外」の悲劇。 でも、グローヴァーズ・コーナーの人々は、生きてそれを受け入れてゆく。 三幕の語りべは主に墓地にいる死者。 と同時に、この人生には想定外などというものはなく、あるがままを 受け入れていかに生きるかということ。この音楽劇は、その真実を観る者に いやおうなく突きつけてくる。 最終章を飾る歌はあの、第一幕の最後に歌われた同じ歌です。 そこで、どうして涙あふれたのか、そのわけを知りました。 7日はコンテを書いて企画打ち合わせ。 8日はスタジオに入ってプリライティングとカメラ・リハ。 9日は終日撮影。10日2時までかかっちゃった。 10日はまた中目黒にて別の企画オリエンテーションのあと、 久しぶりで大阪のプロダクションの社長と恵比寿にて夕食。 彼とは5年ぶりぐらいの再会なんですが、交番の前で会うなりやぁやぁやぁ。 「ゲイリー・ムーアが死んでね、思わずパリの散歩道聴きなおしましたよ。 こんな話呑みながら出来るの、もうフジタ監督ぐらいのもんやね」 「僕ね、4月にジョニー・ウィンター行ってくっからさー!」 そう、生きながらブルースの葬られたジョニー・ウインターは初来日であります。 僕らは恵比寿の駅で、握手して別れました。 さて。 西荻窪の駅も暗くなって、木蓮は蕾を膨らませ、 家のまわりは黒猫白猫がうろちょろ。 今年ひとつめのたんぽぽも花をつけました。 西友には相変わらずペットボトルの水はなくて、乾電池も買えません。 でもこの、なかなか暖まりにくいはや春の風の中でも、 きっと時間は過ぎて、何かを新しくしてくれると信じています。 僕毒野は西荻窪に住んで、そうして何かを信じているのです。 こちらの風景もよろしくです西荻路地裏通信。
by fujita929
| 2011-03-27 19:53
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