西荻路地裏日記

今日もイメージを釣りに 067 あの晩夏引き摺って挽歌66歳大変だよいやはや。

あの暑い夏はいったいなんだったのかと

今にして思う。

すっかり秋にはなったけど、どうも納得入っていない自分がいる。

自分の身の周りでは様々なことが起こりました。

それとひとつひとつ付き合いながら、ふと辺りを見渡すともう秋、

いやもう晩秋だ。

藤田Bestens!（ベステンツ）の身体にはここ数か月の疲れが残ったままです。

ギャラリーライブも終わっていました。

その狂った暑さの中を縫うようにギャラリーの展示は続きました。西荻路地裏通信

ただ、そこにある物事を前に進めながら、かろうじて自分の時間を見つけては

海と川に逃げ込む。

じっとしている。そうしてかろうじて自分というものをわずかに取り戻して

西荻窪に帰ってくることを繰り返していました。

そのうち「あまり考えこまない方がいいのだな」とは分かってくるのです。

余計なことを考えても仕方がないのです。

世の中の機運やその流れには、かならず法則のようなものがあって、

それには変に逆らわない。

そうしないと、指の骨を折ったりするのです。

骨折をして考えたのはひとつ。それは

「自分はなぜこのタイミングで指の骨を折ったのか？」

ということでした。

しっかり剝離骨折した左の中指は、まぁ骨折は骨折ですから

なかなか治らない。結局1か月はしっかり動かせず、それからリハビリ。

でもずいぶん以前とは違う指になったのです。端的に太くなった。

ギターは弾けるかというと、何とか弾ける。しかし他人の指のよう。

でも弾くしかないですから、もう考えないでひたすら痛くてもなんでも弾いたわけです。

結局ギターを弾く、家事をする、というのが一番指を使うリハビリなわけで、

もはや元に戻るとかそういうことではないみたいなんですね。

そういうことはこの指を折ってみてわかった。

年齢はいつのまにか66歳になってます。ロックンロールですが、66歳左中指を折ってまでロックはできるのか。

あの狂った夏は問いかけてきました。

まぁ忙しさが幸いと言えば幸いなんだろうな。忙殺ではないけど考えない技術というのもこの晩夏から秋にかけて体得しました。
それが前期高齢者がロックやライブをやる秘訣と言ってもいい。そうして生きる手段のようなものを克ちえるのです。
その場合の基準は「考え込むよりも直観力があるのか」という問題でした。まさかそういうことがこの年になって人生に試されるとは思わなんだ！歳を取ったら落ち着いて、しっかり熟慮して、とはイメージしていたんですが、実はそうではないみたい。
そんな実感に満たされて、涼しいがゆえの眠気が昼の頭にまとわりつく。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本来であれはこのようやく過ごしやすくなった陽気をゆったりと堪能するのでしょう。でもさまざまな66歳の現実はそうさせてはくれない。ここには書きませんが、とにかくこのタイミングで人生は私藤田を休ませないし新しい試練に否応なくなく突入を命じてくる。「そういうことか・・」としか感想が出ない。
重い腰を上げて歩みだすしかない。66歳って大変だな。
ふとPCを開く朝。え？同年の訃報。そういうことがふたつ続きました。言葉がない。66歳はそういうことか。
とても日記もブログもそれどころじゃなくて、自分の誕生日もままならず「こんなに大変なの？66歳のハードなロック人生？？」って思って生きています。そうなるって想像もしなかった。
それでひとつこれだけははっきり言えるのですけど、もう過去はなくなったんだなーってことです。一番良くないのは過去を基準とすること。こういう年齢になると、どうもその傾向が強まりますよね。そこをどう振り切るかってこと。難しいんだけど。自分がディレクターであったことは自分の現在の意思として無価値にできるかどうかにかかっている。
そのために準備はしてきた。でも、いざとなるとね、これまでの人間関係も邪魔したりして。それで山の畑で農作業を手伝ったりして。そうして考えた。今ある直観力は過去の延長線上ではなく、今あるから直観力たる所以。
常にそのことを自分に言い聞かせる羽目になった！西荻にギャラリーを開いてもう18年が過ぎた。悩んで始めたから明るくないスタート。でもそれがもう本業です。朝は散歩。誰もいないわけね。西荻も人増えたなこの頃。そうして自分が住んで、かろうじて悩んで生きるこの街を見渡している朝。もう35年になります。でもちょっとだけ休みたい。ボケ―っとね、相模湾や東京湾を眺めてさ、ウキの行方ばかり見ていたい。ディレクターもギャラリーもその他のことも何もかも忘れて、そのウキが海の中にひゅーっと入ってゆく様だけを見ていたい。
子どもの頃からそういうイメージで生きてきたんだからなー。実は何も変わらない。ロックンロール。あの晩夏をを歌にして挽歌引き摺る66歳は独白。

今日もイメージを釣りに 066 「骨折4週！！」突如男はニヤリと笑う

暑い9月。まるで暑さが終わらないが、そういうことを嘆いても致し方ない。というわけで藤田Bestens!（ベステンツ）観念しまして久しぶりにブログを更新します。わたし及びギャラリーがらん西荻西荻路地裏通信 (air-nifty.com)の身柄には特に変化はありません。が、この猛暑、ホントに何とかならんもんかいな？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤田記憶しまするに2018年がすさまじく暑かったのですが去年と今年、まぁそれは越えちゃったのかな、と。諸説ありますけど、なにやら太陽の活動は2025年までがとりあえずのピークを迎えるようで「えー。じゃあ来年もこんな感じなのー！！」っていう声が聞こえてきそうです。藤田もそう思うんですよ。そう叫んじゃう。だってそうだよね。これ、明らかにおかしいもん。ねー。絶対そうでしょう？？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お米がないっていうのも変です。国庫にはあるのに出せない。生産者だのみ。それでいきなりそれまでの1.5倍価格って変だよ。
なんでも地球上の戦争や温暖化が口実にされている気もする。でも、こういうことは過去にも何度かあったはずであってそのケースを乗り切った知見はあると思うんだけど。ねえ。
でもって西荻の周辺を見渡しておりました。みんな暑さの中で参っていますが、それなりに工夫して生活に励んでいます。西荻の町に暮らしてもう長いのですけどわが家族もヒーヒー言いながらも毎日洗濯とか洗い物とかいろいろやってお米を炊いている。高いけど仕方ないよ。
そうしてギャラリーも運営しておりまする。

でも、さすがにこうしつこく暑いと釣りが難しくなった。

熱中症らしきにも軽度にやられました。転んだ。今はその剥離骨折の治療中。ってこりゃもう立派に夏にやられちゃって釣りどころじゃないんです。65歳だからね。そりゃお前昔のようには行かないよフジタって言われそう。二回転んだです。でもまだ釣った。カニにも笑われた。うーーー。ハゼ釣りも難しい体調ででも行った。「自業自得とはあなたのこと」奥さんはうまそうに天婦羅を頬ばる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
欲を捨てること。観念せよ。ということ。それを夏は藤田にしつこく問いかけている。

心理学ではレジリエンスっていうらしい。一般には「上手くリスク回避して生きる処世」といった意味だけどフジタは「はぐらかし」と理解している。これまでの生き方指標は「アンガーモチベーション」だったかもしれないです。悔しいなって気持ちが原動力だった。そうしてここにいる。でもここへきて考え方は変わった。ものごとを悔しいとは思わず、理不尽ははぐらかしてみる。上手にはぐらかす。レジリエンスとは高度になれということ。
ところが、現状はまだこの夏が暑いからフラフラ足を取られて転んだんだよ。情けないけどそれが真実で、中指の第二関節は逆に曲がって軟骨剥離骨折。「骨折4週！」近所の佐藤整形のセンセーはそう豪語した。「ギター弾くんですけど僕・・」「骨折4週！！まだ治ってないんだから！！」
指が上手く内側に曲がらない。11月にはギャラリーライブの本番があるというのに・・・
観念しなさい。ギャラリーがらん18歳。彼ももう大人になって親であるフジタにそう言っている。ふがーである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

レジリエンス君こんにちは。西荻の夜明けです。

観念の夜明けです。そうして駅から見える町はうだっていますが、この狂った暑さだって何かの理はあるのだろう。悲観はせずに上手に観念する。上手くはぐらかす。転ばないようにそっと歩く。
でも迂闊に転んだ瞬間そこに彼は突如現れ、にやりと笑って一言放つ！
「骨折4週！！」

今日もイメージを釣りに 065 五月。そら豆と喘息

ミカンの花。今年はたくさん採れそうだ。たくさんの花が咲いたらしい。
藤田Bestens!（ベステンツ）珍しく結構重い風邪をひいた。こんなの何年ぶりかな。もうかれこれ3週間です。

未だ咳がひっかかってくるのです。

農場では有機のそら豆がたくさん成った。
さやごと蒸し焼き。なーんとも味が濃い。おいしい。この味は五月を思う。ずいぶん昔、親戚のお店でそら豆を振舞われた。自分たちの結婚の旅行から帰ってきて、親戚のそのお店にお土産を持って伺った記憶がある。その時出された千葉のそら豆の味が我々夫婦には忘れられない味だった。
それが五月の味。お店を賄う親戚のご夫婦は食事とは別にその皿を出してくれた。
おととし、その親戚のご夫婦はお二人とも鬼籍に入られた。五月はバラ。去年咲かなかったのに思い出したように今年咲いた。なんだかうれしい。今年も咲かないで過ぎちゃうんじゃないかと思いきやつぼみがいきなり現れた。
去年咲かなかった別の鉢のもつぼみがある。いいことというのは、そんなぐらいがいい。
小さい楽しみが家族に共有される。そこがいいなと思う。それぐらいがいい。海では初めて竿を出した港の出口、ピンギスがみっつと小鯛。

5月の終わりだった。

この時もう風邪が抜けにくくなっていた。

二つほど展示を終えて出かけたかったのだ。そら豆、ピンギス、小鯛に気まぐれなバラ。そのぐらいでいい。

港でぼんやりしたかった。

「最近は熱の出ないコロナが流行っているよ」近所のお医者はそう言った。

「その患者さん、なーんか喉がいがらっぽいしだるいからって来て、じゃあ調剤薬局で　一応検査キットもらう？って言ったら」「陽性？」「うん、陽性って電話が来た」
知り合いの働く特養ホームでもクラスターだと聞いた。まーだはやっているのだなぁ。えっ？じゃあこの妙に長いやつ、実はコロナなの？？まぁそれはありうるだろうな。そんなことを思ううち五月は終わった。

亡くなったご夫婦には子供がいなかった。

五月のそら豆に感動した後、5年ほどして我々に子どもが生まれる。その五年の間に言い尽くせない物事が嵐のように起こり、それが過ぎたことを娘が告げた。「免疫が弱まっている気もするんで、この風邪が完全に抜けてからやろうと思って」「あー。帯状疱疹予防接種ね」「そう。杉並区の助成は？」「半分の1万円。二回やるのね」

やっと6月になった。

バラは嬉しかったけれど、早く６月になってほしかった。
まだ少し咳が出る。気管支拡張剤を服用している。子供の頃長く気管支炎喘息だった。ツベルクリンが確か陰性だとプールに入れない。小学校4年生まで学校のプールというものに入れなかった。
「加齢性の喘息ってありますかね」「そういう人もいるね。でも一概には」「そうですか」7月。プールはいつも見学。でも小学校5年生になったら免疫ができたみたいで、母は担任と相談して息子を一方的に水泳部へと叩き込んだ。おかげでそれまでプールに入っていない息子は泳げないから、8月の夏休みをほぼ毎日ビート板股に挟んで泳がされた。水泳が嫌いになったのはあれのせいだ。ビート板は呼吸法は教えてくれない。9月になっても泳げない。泳げない水泳部員とはこれ以上ない屈辱だ。
自分が泳ぎを覚えたのは水泳部を辞めた6年生の夏。独力だった。水泳は呼吸法を覚えても好きにはなれなかったが、気管支炎喘息は消えてしまっていた。

娘が生まれる３年前に母が消えた。

息子の網膜にはストレスで穴が開いた。娘が生まれたので、いろいろ考え、会社を辞めた。懐かしいな。今年も五月が終わった。
そら豆はたくさん採れたので、豆は取っておいて今年の秋の終わりにまた蒔く。

今日もイメージを釣りに 064 ふーーむな人生は、幕開けなのか？

農場ではソラマメの花が咲いた。

それから一週間ほど遅れて西荻はやっと桜が咲いた。
いつもよりずいぶん遅いと藤田Bestens!（ベステンツ）は思う。でも去年の正確な記憶はもう忘れている。みんなそうなんじゃないかなぁ。今頃何があったかなんてろくに覚えちゃいない。

ギャラリー西荻路地裏通信 (air-nifty.com)ではライブが一つと

朗読劇など。一月二月は家人の諸事情によりいつもの年に比べ煩雑で多忙を極めました。ひどく疲れたのは事実です。でもその家族単位の多忙が功を奏したかこうしてなんとか安寧の4月を迎えることが出来たようです。
ずいぶん寒い冬が明けた気がします。そら豆が何とか花をつけた日に
人生初の有機玉ねぎを収穫できました。そしてそれをその日のうちに師に言われた通りレンジでバター蒸ししていただきました。
お醤油をすこしつけて。これは多分多くの方が知らない味です。ふーーむ。
手間をかけて作るとこうなるのか。師にはとりあえず今日も言われるままです。

実は体調はあまりよくはなかったわけで、

定期診察以外にも医大病院やら近所の歯科などに通う日々でした。65歳ってこうなんですねぇ。なってみてもうすぐ半年。64歳とは明らかに違う。

これも、ふーーーむ。歯科医や皮膚科担当医を話すほどに、ここでもふーーむ。

想像していたのとは違うわけです。頭で考えてもわからない。いい歳をして知ることはまだ探しよう、ですかね？以前のようには働きたくない自分ですが、その分の時間で今の方が見えるものはあるはず。
方々に尋ねてみる次第です。

魚にも言えることは、去年とは事情が違っていて

決して同じではない。関わるたびに常ならむ。
釣り上げるたび、ふうむとなる。そうか。今年はそうなのか。かかってくれないことも多い。人間界は値上げ値上げで、どうしていきなりこうなるのかとその不自然を自然との対比で思う。自然は常がないとは受け入れられるのに。どうも人間界の所作は納得いかないこと甚だしい。違いますかね。いきなりなんで？と思うことばかり。
ともあれ遅れた桜は咲いたようです。

「そうっと生きたいね」

うちの奥さんはこの頃さかんにそう言います。

世の中のニュースは裏金、還流、地震、全面対決、停戦交渉決裂そんな言葉が多い。そうっとは生きていない人々の有様をもういいっていうのに伝えようとする。そうっと生きたい人にとってはつくづく迷惑ですが、というわけで
テレビはおろかPCもスマホも開かず、畑に行って早春の追肥ですね。それは作本の生え際に少しだけこがした糠などをこの指にてささやかに撒く。やりすぎてもいけない。ふーーむ。師はやりすぎはものごとの台無しと諭す。
農作業が終わるとお隣の犬が来る。胸のところをゴロゴロさすってやると犬は喜ぶ。「あれ。藤田さんにはなつくねー」
犬はそうっと生きている。

しばらくは納税に向け、

お金も厳しいですからおとなしくして、ふううむふううむと知らないことに出会いたくそうっと残りの人生に追肥です。

今日もイメージを釣りに 063 満足の在りかはどこだ？

なんだかよくわからぬまま年が明けて

落ち着かない気持ちの一月を過ごしている。

それは誰しも同じではないだろうか。

かく言う藤田Bestens!（ベステンツ）は

いつもと似たような師走をなんとかやっつけて

旧年の疲れをしっかり抱え込んだまま

これを記しております。

特に書き残すべきこともないんですけど

有機農業のお手伝いを始めて三月ほど経ちました。

山の傾斜地の畑につき、足腰が鍛えられるので

これは良いかなと入門した次第。

有機の農作業はほとんどが土の管理と土づくりみたいですね。

あるじは人生の大先輩ですから私は言われるままです。

農業のことなんてまるで知らないので

丁稚奉公なわけです。まぁそれもいいかな、と。

やってみると本当に知らないことばかりなのです。

このブログは基本的に西荻的日常と釣りについてつらつらと

徒然草なんですが、ここへ来てどっちかって言うと「今日もイメージを耕しに」とか

「今日もイメージを収穫に」って内容に変化をしてゆく。

まぁそれもいいかな、と。

なんだっていいんですよもう。65年も生きてっからね。そういうふうになる。

備忘録って感じだし、ホントにどっかに書きつけないと忘れちゃう。

スマホとかじゃダメなんで、メモがいい。ブログもメモみたいなものだ。

誰も読んでないだろうしね。

でも釣りにも時々は行ってます。もう長い遊び。農業見習いはそうなるのかな？

そうしてドタバタしながら新年は明けたけど

なんていうか、言葉が上手く見つからない。

月並みな言葉も書けない。

朝はお仏壇にお茶をあげるんですが、合掌の時間は

長くなりました。

自分も殺生の果てと言えばそれまでで、

返す言葉は一切なし。

もくもくと主に従うしかない。

時々ギャラリーやりながら。西荻路地裏通信 (air-nifty.com)

さびれた風景の中を走る電車。電車を降りればバス。

これがいいんだな。ひとりさびしい場所に出向く。

時々そうすることで、人から逃れる。家族からも少し離れる。

会話からも距離を置く。

何もない草っぱら、農道、水路と野鳥。

歩く歩く。

出来るだけ穏やかな日を選ぶ。

釣れなくてもいいと思いつつ一生懸命に竿を振る。

鳥の声だけ。狙いのものはあるけれど、釣れない。

時間をかけて、満足の在りかについて考えます。

　　　　　　　　　　　　　　　

もう働くのは終わりにしたいです。

70歳定年？マジすか？？

それ以外にやっておいた方がいいだろうと思うことを優先したいと思う。

世間にはびこる扇動に疑問がある。

そんなに簡単に65歳だの70歳だのと、せっつくように延長するなよ。

急にそういうことを言い出す。長年の設計は間違っていましたとシステムの

不備を重々謝罪してからが筋でしょ。可笑しい。勝手すぎる。

ですから意図的に人や情報から離れてそれらを睥睨するのも意味があると

1人バスに揺られる時間を作るのです。

っと、気が付けばここは橋の下であります。

橋の下、何故か落ち着く。

川は海へとつながって決して戻る道のりはない。

遠くから時折波の崩れる音がする。

農作業の翌日は太ももの裏側が痛くて

「よーし、もうこれで満足なんだな」

とは思うようにしている。

春にソラマメはちゃんと成るのかな？