先週末は、外苑前のギャラリーMAYAさんに「平澤一平展」、行ってきました。
平澤さんとは16年ぶりの再会です。
平澤さんは木版を削って、版画を彫るのではなく、その削った版自体に着色してしまう
異色のイラストレーター。今回のテーマは「おいしい食べ物」でした。
彼の作品は素朴で発色がとてもVIVID.フシギと映像的です。
実は今からさかのぼること17年も前の彼との出会いは、CMの仕事でした。
NTTデータ通信さんの企業広告で「電気・ガス・水道・コンピュータ」というテーマで彼に連作を
画いてもらい、僕はそれをフィルム撮影して実写の人間と合成しながら、ひとつのストーリーを仕上げました。
その当時はコンポジット、コンポーネント両立の時代で、
確か今は無き「ハリーシステム」でこつこつコンプしたのを覚えています。
レイヤーはひとつ。でもなんかアナログとデジタルの橋渡し期のような頃、
・・懐かしい思い出でもあります。
きっと今見たらそれはそれで「アナデジ」な魅力があったような気がします。
水道のシーンでは彼が彫った木版の巨大な水滴が、ちょい太めのピエロの小人に落ちてゆく。
コビトはもちろん日本人で明らかにカッコ悪いちょっとのろまなキャラ。
水滴はコビトにかかる瞬間、実写に変わるから、スタジオではコビト役の方の頭上に巨大な
風船を膨らまし、その中に水を目一杯貯めたんです。確かスタジオは246のAだった。
新木に縫い針をくくりつけて、ヨーイ・スタートでカメラローリン!
美術部がカントクキューで一撃、バーン!ざっっっばーん!ワンテイクOK!!
そりゃそうです。
そのためにクラシナさんにデザインしてもらったアマルコルド調のコスチュームは
一着しかなかった。びしびし緊張したな。いい想い出です。
ひょっとして、今見たら「アナデジ」、結構イケてたりして。
今度昔の作品集からDVDに焼いてみたりすると、なんか発見があるかも・・・。
ともあれ、とうの平澤画伯は現在もパワーアップしており、お元気そうでなによりでした。
またなんか、ぼちぼちやりましょうか。・・・懐かしい合成で。ね。
http://www.sakigake-adb.co.jp/kyo/interview/hirasawa/hirasawa.html
ちなみにギャラリーGARANは4月2日から美大5人展「よりどりみどり」始まります。
http://www.gallery-garan.com/
エクスフレア www.exflare.com
こちらのブログもご覧ください。西荻路地裏通信